fc2ブログ

今昔物語集 巻16 第17 ②

さて、元の家では、良藤の親戚が集まって十一面観音像を造り、「せめて亡骸だけでも」見つかるようにと祈ります。

一方、良藤のところへは、杖を突いた男が突然やってきて、良藤の背中を突き飛ばして狭いところから外に押し出しました。良藤の元の家では良藤失踪後13日目の夕方のこと、倉の床下から怪しげな黒い猿のようなものが這い出してきて大騒ぎになります。なんとそれは、失踪した良藤だったのです。

……? 
読みながらうすうす気づくのですが、場面転換ごとに時間の流れが異なっているのです。

倉の床下から薄汚れてボロボロの姿で出てきた良藤は、元の家の息子に向かってこう言います。
「わしは高貴な方の婿になり、男子をもうけた。その子を跡取りにする。おまえは次男にする」と。

一夫多妻制の当時は、婚姻の順序と関係なく、身分が高い妻を正妻にするのが普通だったようです。

息子が「その子はどこにいるのか」と訊くと、良藤は倉の方を指さしました。良藤は痩せ細って病んでいる人のように見えます。倉の床下を使用人に調べさせると、たくさんの狐がちりぢりに逃げ去り、床下に良藤が寝ていた形跡がありました。なんと、良藤は狐に化かされて正気を失っていたのです。

良藤が床下にいたのは13日間。しかし、良藤自身は13年だと思っていたのです。





スポンサーサイト



今昔物語集 巻16 第17 ①

昔、備中(現在の岡山県)に、賀陽良藤(かやのよしふじ)という人がいました。

良藤は、お金持ちのおじさんで、女癖が悪いです。妻が上京して不在のある夕暮れ、外をぶらぶらしていた良藤は、突然美女を見つけます。今まで見たこともないような、若くて美しい女です。良藤は女に言い寄り、家に誘いますが、断られたので女の家についていきます。

近くに立派な家があり、二人が中に入ると「姫様がお戻りになった」と家の人々が大騒ぎします。良藤は「はて、こんな家があったかな?」と思いますが、居心地よくもてなされて気分が良くなり、謎の美女のことをすっかり気に入って、夫婦としてこの家で過ごすようになりました。そして、いつしか元の家のこと、残してきた子供たちのことは忘れてしまいました……。


さて、その頃、元の家では妻が、浮気者の夫(良藤)を探し回っていました。
「夫の旅装束は家にあるので、普段着のままふらりといなくなったらしい。若い頃ならまだ分かるが、いい年(良藤は40代)をして考えられない」
などなど。家中大騒ぎです。

当の良藤は、美女との間に男児が生まれ、幸せいっぱいで、年月がどんどん流れてゆきます。

(つづく)





アラビアンナイトのように

この記事はブロとものみ閲覧できます

『かがみの孤城』

おすすめ児童書、第7回は『かがみの孤城』(辻村深月 著、ポプラ社、2017年)です。

かがみの孤城

第15回(2018年)本屋大賞受賞作品です。
中学生の「こころ」は不登校になり、家に閉じこもっていました。ある日、部屋の鏡が光り始め、鏡を通り抜けた「こころ」はお城のような場所にいました。そこには、「こころ」と似た境遇の中学生が7人集められていて……。

なぜ中学生7人はこの城に集められたのか? それぞれの中学生の境遇が少しずつ明かされ、最後には怒涛の展開を迎えます。
多くの謎が最後に種明かしされるのは爽快です。注意深く読んでいけば気づけるヒントがいくつもあるので、推理しながら読むのも楽しいでしょう。読み終わったら、答え合わせの気分でもう一度読み返したくなる本です。

大人にもおすすめですが、主人公の「こころ」と同年代の中学生に特におすすめです。






今昔物語集 巻14 第2 ③

「今昔物語集 巻14 第2」を読んで

話中で信濃の守が、追ってくる蛇のことを「国の内の神祇か悪霊か」と言っているところが興味深いですね。「この蛇は神様か悪霊か?」と判断に迷っているからです。この当時の人々が蛇をどう思っていたのか。蛇が神聖な象徴として見られることがある一方、悪霊や祟りの象徴としても存在しているところがおもしろいです。

また、守が「速やかに夢のうちに示したまえ」と念じているところもおもしろい。現代人と当時の人々の「夢」に対する感覚が随分違っていることが分かります。
現代の日本人だったら、夢を真に受ける人はそんなにいないはずです。しかし、今昔物語集の説話には多くの夢が描かれ、登場人物たちは夢を事実として受け止め、行動しています。夢のお告げがあったのだから、本当のことなのだと。

きっと、神や仏、鬼や悪霊に対する感覚も、現在人とは全く違っていたはずです。もっと当たり前のこととして生活にとけこんでいたのではないでしょうか。


今昔物語集 巻14 第2 ②

すると、衣裳櫃の底に、1匹の年老いたネズミがいたのです。ひどく怖がっている様子で、逃げもせずに縮こまっています。

守は、ネズミを取り捨てようとする従者を制しました。このネズミと蛇は前世からの仇敵だったのです。今、このネズミを櫃から出せば、きっとネズミは蛇に食べられてしまうでしょう。

哀れみの心を覚えた守は、その2匹のために法華経を書写し、供養することにしました。すると、その夜の守の夢に、今度は2人の男が立派な姿で現れました。2人は前世で仇敵となり、互いに殺し合ってきたそうです。今度も相手を殺そうと思っていたが、守の供養によって救われたと言います。

守が供養しなかったら、この2人は来世でも殺し、殺される関係を続けていたのかと思うと、大変恐ろしい話だと思います。殺し合いの連鎖から解き放たれて、生まれ変わることができたネズミと蛇のお話でした。


今昔物語集 巻14 第2 ①

恐ろしい輪廻転生の話です。

国司である信濃守が、任期が終わって上京することになります。しかし、その道中、一匹の大きな蛇がずっとついてくるのです。守が立ち止まって休息すると蛇も藪の中にとどまり、昼間は一行の後をついてきて、夜は衣装櫃の下にとぐろを巻いています。

なんだか気味が悪いですね。

従者たちは「(蛇を)殺してしまおう」と言い出しますが、守は止めます。そして、次のように念じました。
「この蛇は、この国の神様ですか? それとも悪霊がたたろうとしているのですか? 夢の中で示してください」と。

すると、その夜の夢にまだら模様の水干袴をつけた男が現れてこういうのです。
「私の長年の仇敵が、衣裳櫃の中に入っているので、その男を殺してやろうと思ってついていきているのです。その男をいただけたら、すぐに引き返しましょう」と。

守は朝目が覚めて、さっそく衣裳櫃を開けて見ました。

(つづく)



ギプスこわい②

この記事はブロとものみ閲覧できます
おすすめの絵本・児童書
510YR0GJQ2L__SL500_AA300__convert_20101208173629.jpg   →絵本コーナーはこちら
子育て情報
カテゴリ
ブログランキング
皆さんの応援が励みになります。クリックで応援よろしくお願いします↓
カレンダー
11 | 2022/12 | 01
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
QRコード
QR